技術情報
カルチャーマット®について① ~特長・使用方法~2015.11.2
農材営業部
◆カルチャーマット®について①◆
~特長・使用方法~
今回は、水耕栽培用ロックウール培地「カルチャーマット」の特長・使用方法についてご説明します!!
【カルチャーマットの特長】
・約1,500℃で溶融し繊維化したものなので、病原菌や雑草の種子は含まれておりません。
・吸水性が高くブロック全体に水が行き渡るため、発芽率が良好です。
・ロックウールの繊維を縦方向に配列しているため、作物の根にストレスがかからず、生育が良好です。
・ロックウールの主成分がケイ酸とカルシウムなので、作物が丈夫に育ちます。
・エアーを当てると根からロックウールが簡単に吹き飛び、収穫後の根飛ばしが容易に行えます。
【こんな作物に最適】
・ほとんどの葉菜類に使えますが、特にウレタンスポンジでは発芽率の低い、小ねぎやほうれん草で強みを発揮します。
↑ほうれん草の栽培例 ↑小ねぎの栽培例 ↑人工光型植物工場での栽培例
【使用方法】
①.育苗箱にセット
写真のように育苗箱にセットします。育苗箱は排水性を考慮し、水稲育苗用等の穴あきのものをお使いください。
②.かん水
・カルチャーマットを最適の水分量とするために、最初のかん水には2通りの方法があります。
a)シャワーによるかん水
・シャワーホース等を使用し、水がマット全体に行き渡るようにかけます。
・かん水ムラが無いように注意してください。かん水量は1枚当たり1.5~1.7リットル(育苗箱込みで約2.6㎏程度)を目安とします。
※水のかけ過ぎには注意! 2リットル以上かけると、発芽ムラのもとになります!
b)水槽を使用するかん水
・育苗箱にセットしたカルチャーマットを立て掛けた状態で水槽で水に浸し、全体に水を含ませてください。
その後、水槽の栓を抜き、排水します。
・満水時のカルチャーマットの重量は、5~6㎏程度ありますが、2~3㎏程度になるまで水槽内で立て掛けておきます。
時間の目安は5~10分程度です。
・大きな水槽が無い場合は、大きめの容器に水を入れ、吸水させた後、壁などに立て掛けて排水します。
いずれも排水後は水平な場所に置き、偏った水分を落ち着かせます。
③.播種
・播種は、慣行の方法に従って行ってください。播種板を使用すると便利です。
※カルチャーマットに適合する播種板をお探しの場合は、当社までお問合せください。
④.発芽
・作物に適した発芽適温で管理してください。(小ねぎ:20~23℃)
・発芽は根上がり防止のため重ね置きを推奨します。
⑤.緑化
・発芽を確認したら、液肥をかけてください。(できれば底面吸水をお勧めします)
・緑化期のECは1.8~2.0程度で、しばらくは強い日差しに当てないように、適度に遮光してください。
⑥.育苗
・育苗中は、緑化時と同様、カルチャーマット内が過湿にならないように管理します。
・かん水方法は、頭上かん水・底面吸水・プール育苗等どの方法でも使えます。
・底面吸水の場合は、カルチャーマットが半分くらい浸かる程度に水位を上げ、すぐに排水します。
ECは本圃と同じくらいの2.2~2.3とします。
・緑化から育苗期間中は、上面が乾燥気味になるくらい、かん水を控えめにして、過湿にしないのが管理のポイントです。
※季節にもよりますが、かん水は1~2日に1回程度(1.5リットル)が目安です。
⑦.定植
・慣行の方法に従って行ってください。カルチャーマットは、上面に切れ目が入っていて、底面で繋がっています。
・定植をする際は、上面から割くようにすると分割しやすくなっています。また、ある程度湿っている状態の方が作業性が良いようです。
※真っ白で健全な根のためには、水温は24℃までに抑えることをお勧めします。
※25℃を超えると病気のリスクが増え、30℃を超えると根腐れが多発します。
⑧.収穫
・慣行の方法に従って行ってください。カルチャーマットの繊維が縦方向であるため、根飛ばしが容易に行えます。
※上記の使用方法は一例であり、栽培する作物や季節によって管理方法が異なる場合がありますので、ご注意ください。