技術情報

ロックウールの水分保持特性2015.10.1

◆ロックウールの水分保持特性◆

 

 養液栽培用の培地として求められることの一つに「水の拡散が良好で、水分管理がしやすい」

ということが挙げられます。参考資料:養液栽培の新マニュアル/一般社団法人 日本施設園芸協会 編集

今回は、ロックウールの水分保持特性について、知っていただければと思います。

 

・ロックウールは多孔質で保水性に優れ、植物の根に水分と酸素を同時に供給することができる

培地であり、他の固形培地と比べると、保水性が高いのが特長です。

 

①.ロックウール内の水は、繊維間の毛管力によって保持されています。

 

②.ロックウールはpF値が1.5~1.8まで増加すると体積含水率は大きく減少します。

 

 これは作物による水分吸収によって培地内の水分が少々減少してもpF値はあまり変わらないので、作物が容易に吸収できる水分(有効水)が多い事を示します。

 

図2

出展元:養液栽培のすべて/一般社団法人 日本施設園芸協会・日本養液栽培研究会 編集

 

・pF値は培地が水分を保持する力を示しており、pF値が高いほど作物は水分を吸収しにくくなります。(培地が強い力で水分を保持)

 

③.ロックウールの培地中の水は、ほぼ有効水として存在し、乾いてしまうと植物が吸える水が少なくなってしまいます。

 

④.ロックウールは湿った状態なら横への水分移動が容易ですが、乾燥状態では給液位置からすぐに下にしみ込み、底部を移動する事になります。

従って、栽培中に培地を乾燥させないことが、健全な根圏環境を保つポイントです。

 

⑤.培地内の含水量は培地の厚さに左右され、標準的なロックウールベッド(75~100㎜厚)では

70~80%の水分を保持します。

 

図2

出展元:施設園芸ハンドブック/一般社団法人 日本施設園芸協会 企画・編集

 

【まとめ】

・ロックウール内の水はほぼ全量が有効水です。

・植物は培地中の水を吸いやすい状態です。

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